2020年4月30日木曜日

マゾちからを試されるPL1、PL1への責め力を試されるPL2、そして驚愕のラスト。ブレカナシナリオ「恋心の残照、泉にて踊る」

前回に続いて、ぶんぶんゲームズ主催 F.E.A.R.システム シナリオアンソロジー「極東」所収シナリオの紹介です。
今回はブレイド・オブ・アルカナ・リインカネーション「恋心の残照、泉にて踊る」。
著者は忍野春雅さんです。

卓告知ならともかく紹介記事ですので、アクトトレーラーとハンドアウトを丸写しするのではなく、ここぞというところだけを抜き出します。

▼PC1用ハンドアウト
因縁:◎エーファ/悔恨
 あなたは保養地として有名なシヴェリリウムの住人だった。名のある貴族の娘エーファと相思相愛の仲であったが、あなたは彼女に決められた結婚相手がいることを知り、自ら身を引いてシヴェリリウムを離れた。その後、音沙汰もなかったが、婚約相手と幸福でいることを望んでいた。
 しかし、その期待は打ち砕かれる。エーファがシヴェリリウムの近くにある泉に身を投げ死亡したという話を聞き、あなたはその弔いのために泉を訪れた。

▼PC2用ハンドアウト
因縁:☆PC1/不信
 あなたの親友エーファは失意の果てに自ら命を絶った。
 彼女には想い人がいたが、その想い人に捨てられた形になり、家が決めたとおりに城伯の息子ザンベルグとの縁談を進めていたが、ザンベルグという男はエーファを所有物としか見ていなかったという。そして、エーファの家では「他にエーファに相応しい器量を持った男がいれば」躊躇なくこの縁談を破断にするつもりであったと聞かされた。
 つまりPC1はエーファを救える目があったということだ。それなのに座してそれをしなかったPC1に対してあなたの不信は募った。

ヤバいです。絶対ヤバいと思います。
PCのハンドアウトというより、悪堕ち殺戮者(マローダー)の過去の経緯にしか見えません!
タイトルはPCはではなく「PL」としているんですが、いやほんとPCよりPLのが試される気がします。

普通にPC2といえば各地の悪いやつを倒してまわっている巡回士とかそういうのじゃないんですかーーー。
あとは、PC1の前世での介添人の永世者とか!
こんなにPC1に対しての矢印がヤヴァイHOみたことない気がします。世にはもちろんいろいろあるんでしょうが。
「不信」になっていますが、自分がこのPC2やったらほとんど「殺意」に近い感情をPC1に持ちそう。
何が悪いってPC1に落ち度がありまくること。ふつうPC間のこういう因縁って、誤解やすれ違いが原因でちゃんちゃんで終わりそうだけど、PC2がその感情を抱くに至る理由がそのとおりすぎて。

その後も、PC1とそのプレイヤーの胃をキリキリさせそうなシーンや、NPCの台詞が目白押しです。
アクトトレーラーとハンドアウトを見せていれば、「初心者にはPC1やってもらおうか」なんて事故はないでしょうが。初心者がPC1をやったとしたらトラウマ必至でしょう。いや、このアクトに初心者が参加すること自体か。逆にこれでマゾに目覚めるのかもしれない。

なお、救いはあります!ちょっとびっくりしたんですが、F.E.A.R.様の監修を受けているので、「公式」ではないにしろ、監修をして、各プレイグループやオリジナルシナリオでなら、こうした設定や解釈はありということなんでしょう。このシナリオは2ndでも3rdでもないんだなと。

マゾちからにあふれるPL1
サドちからに自信あるPL2とGM
そうした人にこころあたりがある人にはぜひおすすめしたいシナリオです。

プレイヤー数は4-5人。プレイ時間は5時間程度。
グラウンド・オブ・ヴァラーを使用となっていますが、クイックスタートのPC4が「アルカナの代理闘士 GoV p.24」なくらいなので、なくても何とかなりそうです。ブレカナは基本シンプルなシナリオ構造ですし、こちらのシナリオも込み入っているわけではないので、初心者でも十分プレイ可能と想います。


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